モーダル・インターチェンジ・コード

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モーダル・インターチェンジ・コード (アナライズ時の略記は M.I.を丸で囲む)とは、読んで字のごとく、モード(旋法)がインターチェンジ(交差・変換)されたコードということです。

具体的には、ある曲の主音から派生するあらゆるスケール、例えばハ長調の曲なら主音はドなので Cドリアン Cフリジアン Cナチュラル・マイナー …etc 等の各スケールから成り立つダイアトニックコードが借用されて曲の中で使われることです。

※M.I.は、一部の理論書でサブドミナント・マイナーや、トニック・マイナー等と呼ばれているものと、ほぼ
同じものです。(正確には サブドミナント・マイナーや、トニック・マイナー は モーダル・インターチェンジ・コード の一部)少し前の理論では、長調の曲中で同主調である短調のコードを借りてくるという理屈であったのですが、それだと説明できないコードが音楽の進化と共に増えたので、長調⇔短調ではなく、 より可能性が広がる主音を軸にしたすべての※スケール(モード)の交差(インターチェンジ)が可能と解釈して、モーダル・インターチェンジ・コード と名付けられたと私は推測しています。

例)Key Cで

|CMaj7 |D♭ Maj7 |CMaj7 |D♭ Maj7 | ~

というコード進行があった時( D♭ Maj7 はM.I.です)正確にコードの流れを表現するとモードがCイオニアンからCフリジアンに、そして Cフリジアン から Cイオニアン にインターチェンジ(交差・変換) されていると考える。
※DbMaj7のコードスケールはCフリジアンをDbから並べ替えたものになるのでDbリディアン

※スケールとモードの違い
 簡単に説明しますと、スケールはただの音階。モードはその曲(その部分)の土台になっている音階

 Eドリアンスケール  → ただのミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ・ミ
 Eドリアンモード   →  ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ・ミ  の音階が曲の土台になっている。
              (調性は正確に言えば、Eマイナーではなく、Eドリアンモード)

モードとスケールの使い分け使用例
My Favorite Things 冒頭の |Em7 |F#m7|Em7 |F#m7| ~ この部分はEドリアンモードの動きとして解釈できる。具体的には上記のコード進行をEドリアンのダイアトニック・コードと考えEm7ではEドリアンスケール F#m7は F#フリジアンスケールが選択可。