ヴォーカルジャムセッションにおいてヴォーカリストが必要なスキル「4+ α 」 その3「適切な箇所から後テーマに入れる」について

(ジャズヴォーカルの)ジャムセッションの基本の形は テーマ ⇒ 間奏 ⇒ テーマ  になります。またジャズのセッションにおいての大前提は、「曲が始まったら出来るだけコーラスを繰り返す」という」ことで成り立っています。ですので、ジャムセッションで良く演奏される8割がたの曲は1コーラスが32小節で出来ていて、それらの曲の場合テンポが速ければ速いほどコーラスの頭戻り、スローの曲などテンポが遅ければ遅いほど後テーマはコーラスの途中(サビまたは後半)戻りになります。

※「後テーマはサビ戻りでお願いします」この言葉を、よく聞くのですが、たまにサビのない曲(Moon Riverなど)でも、この言葉を使っている方が、いらっしゃいます。意味は通じるのですが、サビのない曲の場合は「後半から戻ります」が正しい言い方になります。

また1コーラスが長い曲(Lover Come Back To Me や Love For Sale など)は、テンポが速くてもコーラスの途中から戻ることが多いです。

テンポが速ければ速いほどコーラスの頭戻り、テンポが遅ければ遅いほどコーラスの途中(サビ戻り、後半戻り)が基本。ただし1コーラスが長い曲は、テンポが速くてもコーラスの途中(サビまたは後半)戻りが基本

例外的なケース

スローの曲などでは、基本的には間奏はコーラスの半分までですが(1コーラスが長い曲も)、そのソロが、ものすごく内容が良く、かつ演奏者本人が、まだ演奏を続けたがっているような場合は、それが許されるようなシチュエーションなら、そのまま演奏してもらうのも選択肢の一つです。(また、そうするのが望ましいと個人的には思います)

もしそれがスローの曲で、そういう事態(間奏が伸びた)が起こった時の対処例
①1コーラスが終わるころに合図を出してサビまたは後半に半ば強引に戻る
②他の演奏者に、コーラスの半分まで更に演奏してもらう。

もしそれがアップテンポの曲で、そういう事態(間奏が伸びた)起こった時の対処例
①スキャットができる場合、コーラスの前半をスキャットで演奏する。(又は他の楽器との4バース)
②ドラムがいる場合、コーラスの前半をドラムとデュオ演奏。(ピアノとベースには後半から入ってもらう)

また、通常のワンコーラス32小節の曲でも、一緒に演奏している奏者の誰にソロを取ってもらうか?(慣れてきたら、ソロを取る人は必ずしも一人とは限りません)その適切な判断をした後に後テーマを演奏する必要があります。