カテゴリー: ウォーキングベースライン

ピアノによるウォーキングベースラインの作り方 その3 

その他のウォーキングベースラインの作り方 練習項目(リンクされたページ 下部)

サンプル

枯葉を2コーラス使ってウォーキングベースラインの説明をしていきたいと思います。
まず最初の4段(1コーラス)はテーマを演奏しているという前提のベースラインです。5段目からアドリブパートが始まって、ウォーキングベースラインになります。ポイントになりそうな点をワンポイント解説しておきましたので参考にしてください。ちなみに本職のベーシストが弾くラインは、結構これとは違ったものとなります。やはり楽器の構造とかの問題も関係してくるのではないかと思います。(ピアニストのベースラインは、音階的な傾向が強い気がします)でも、これは私はある程度仕方ないかなと考えています。ベースラインは少し目をつぶっていただき、弾きやすさを優先して(右手パートもあることですし)ノリの方を大事にした方が結果的には良い気がします。

※枯葉のコード進行は27~29小節目にかけて、いくつかのコード進行があるのですが、今回は一番シンプルなものを選びました。ただ実際のセッションなどでは、あまり演奏されないパターンなので、慣れてきましたら他のパターンもぜひトライしてください。

※下の楽譜は実際の音より1オクターブ高く書かれています。音源は実際の音(楽譜より1オクターブ下の音)で再生されます。

※1 半音で繋ぐ。
※2 半音が使えない場所では、ルートや5thを使って間を埋めてもよい。この部分は通常メロディーが演奏されるが、たまになら重なってもよい。
※3 半音で繋ぐ。(ウォーキングベースライン)
※4 一つのコードで2小節続くような時は、1拍目に5thを使ってもよい。
※5 オクターブの跳躍。(結果的に2拍目がアクセント的になる効果もある)
※6 一つのコードで2小節続き、しかも下行の時、2小節目の1拍目は4度の音でも構わない。

注:
※6については知り合いのベーシストは、「それはどうかな?」と首をひねっていました。私は全然違和感ないのですが… 賛否両論あるようです。

※6でもう一つ、この場所ではGm6というコードがよく使われます。そうすると、コードスケールの原則「コードとスケールの響きの一致」に反します。〔響きはGm6、スケール(ベースライン)はGm7で響きが違う〕ただし、「ここは、つまるところ同じGmじゃないか」という事で、まあ、ベースラインで動いている分には一瞬だし、問題ないかな。そんな感じだと思います。(他の理論書などで、このことに言及している文献を見たことはないですが、経験上、それとジャズの歴史上、評価の高い音源からも、そのような音が聞こえたりしますので、少なくとも実害はないかと思います。

音源

ピアノによるウォーキングベースラインの作り方 その2

その他のウォーキングベースラインの作り方 練習項目(リンクされたページ 下部)

パターン練習

ここでは、ごくごく簡単なパターンを2つあげました。とりあえずは、ルートから5thに向かう、上行系と下行系です。もちろん、これ以外にも、ウォーキングベースラインのパターンはたくさんありますが、まずはこの二つをしっかりと体に覚えこませましょう。カッコいいベースラインも、もちろん良いですが、まずは安定した、リズムに乗ったウォーキングベースラインを目指しましょう。気がついたら、ただの4分音符の音階になってた… なんてことのないように。

※ 下の楽譜は実際の音より1オクターブ高く書かれています。音源は実際の音(楽譜より1オクターブ下で)で再現されます。

※①と②では、ベースラインのつながりは気にせず、ひたすらパターン練習(音が飛ぶので弾きづらいですが)③以降は5度の音から次のコードのルートに行く時に出来るだけ近くの音に進んでください。

音源①

音源②

音源③

音源④

音源⑤

ピアノによるウオーキングベースラインの作り方 その1

その他のウォーキングベースラインの作り方 練習項目(リンクされたページ 下部)

各コードのルートと5度の音を2分音符で演奏する

確認事項

ピアノでウオーキングベースラインを練習するにあたって、まず音域を確認しておきたいと思います。
これは、絶対に守らなくてはいけないものではないとは思いますが、知っていれば何か迷った時の判断基準になると思います。

①は通常のベース(5弦ベースなどもあるので)最低音です。ベーシストは、この最低音まで使ってベースラインを作るわけですが、私自身はもうちょっと上の音のソ(②の左側の音)くらいを目安にしています。(ただの私の感覚です)そして上の音は時と場合によるのですが、使ってソ(②右側の音)までかなと思います。ほとんどの場合は、その下のレかミくらいまでではないでしょうか。音域は音の好みの問題であるのと、演奏スタイルにもよるので、一概には「ここからここまで」とはいいがたいのですが、私が今まで生徒さんの演奏を見てきた範囲では、慣れていないうちはベースラインが少し高めになる傾向があるような気がします。

それでは、ウォーキングベースラインを練習していきましょう。

下の楽譜は枯葉の1~8小節目のコード進行です。この部分を使ってウォーキングベースラインの作り方を説明していきます。

注意
※読みやすさを優先する為に、実際の音より1オクターブ高い音で書かれています。演奏する時は1オクターブ下げて演奏してください。下の音源は実際の音(楽譜より1オクターブ下げ)で再生されます。

※①と②では、ベースラインのつながりは気にせず、ひたすらパターン練習(音が飛ぶので弾きづらいですが)③以降は5度の音から次のコードのルートに行く時に出来るだけ近くの音に進んでください。

2分音符を中心に演奏すること(③~⑤)を「2フィール」や「イン2」などと呼んだりします。主に、ジャズの中では「歌もの」と呼ばれている、ガーシュイン、コールポーターなどが作曲した、もともとはジャズの曲ではなかったものを演奏する時、メロディー部分(ジャズではテーマと呼びます)のベースパターンとして使われたりします。⑤のパターンはメロディーの空いたところで使ったりすると良いでしょう。

音源①

音源②

音源③

音源④

音源⑤