カテゴリー: ジャズピアノ

コードを使用した伴奏法 King Gnu 白日

コードの覚え方

1. Major Triad : メジャー・トライアード(長3和音)

2. Minor Triad : マイナー・トライアード(短3和音)

3.Diminished : ディミニッシュ・トライアード(減3和音)

  Augmented : オーギュメント・トライアード(増3和音)

4. コードの連結 3和音 (Major Triad と Minor Triad)

5. 3和音で演奏できる曲

4. Major 7th : メジャー・セヴンス(長七の和音)

5. Minor 7th : マイナー・セヴンス(短七の和音)

6. Dominant 7th : ドミナント・セヴンス(属七の和音)

7. Minor 7th ♭5 : マイナー・セヴンス・フラットファイヴ(導七の和音)

8. Diminished 7th : ディミニッシュ・セヴンス(減七の和音)

9. コードの連結 4和音(Diminished 7thを除く)

10. 4和音で演奏できる曲

Out of Nowere の レフト・ハンド・ヴォイシング

レフトハンドヴォイシングその他の項目についてはこちらから

※クリックすると拡大します。

この曲の分析はこちらで。

この曲でのレフトハンドヴォイシングの解説 
(もちろん、あくまでも一例にすぎず、他の押さえ方もたくさんあります)

※1 このコードをⅢm7と分析した時はテンション9が基本的に使用不可な為、 Ⓑフォームの基本形7、9、3、5の9の音をルートに変えます。(省略しても構いません)

※2 Ⅴ7/Ⅱと分析したので、コードスケールがミクソ♭13(9は♮)になるため。

※3 ※2と同じE7ですが、こちらは♭9がテンションとして付け加えられているのでファが♮になる。

※4 SUS4コードなのでD7のⒶフォームの3度の音(ファ♯)を4度(ソ)に変化させたもの。

※5 ⒶフォームⒷフォーム、両方選択可能だが、メロディーや前後のコードの流れからⒷフォームを選択。

※6 
6-1 ジャズの場合、仮にコードがDimと3和音で表記されていても、4和音で押さえても構わない。

6-2 Dimコードはテンションを入れるのが難しいのと、もともと不協和音程が多く含まれるコードなのでコードトーンだけの押さえ方でも良いと思います。(もちろん、いろいろな押さえ方はあります)Dimコードの配置は ⒶフォームⒷフォーム にとらわれず、前後のコードの流れに合うような転回形を選びます。(ここでは、たまたまⒷフォームになりました)

※7 
7-1 基本的にMaj7コードはメロディーがルートの時は響きが濁るために使えません。(メロディーの音とMaj7(長7度)の音が半音でぶつかり、メロディーの音として聞こえにくい)これは、ほとんどの曲の最後の部分で、よく見受けられます。上記の楽譜でも3和音で書かれているのは、「3和音で演奏してください」という意味ではなく、その都度、適切な音で演奏してください。(メロディーを演奏している時はMaj6、アドリブを演奏している時はMaj7など、各状況においてコードを変えても良い)

7-2 もう一つのやり方として、私はMaj6のⒷフォームの響きが、あまり好きではないので、Maj7のⒷフォームで、メロディーとぶつかってしまうMaj7 (長7度) の音を省略した、上記のような押さえ方をしています。

レフト・ハンド・ヴォイシングの作り方

レフトハンドヴォイシングその他の項目についてはこちらから

レフト・ハンド・ヴォイシングについては以前に詳しく説明したかと思いますので、ここでは省略させていただきますが簡単に言うと、「ジャズピアニストの主に左手が押さえている、ジャズっぽい響きになるようにテンションと呼ばれる音を含ませたジャズピアノ独特のコードの押さえ方」といったところでしょうか。

Aフォーム Bフォームについて
レフト・ハンド・ヴォイシング の作り方の基本は下からコードの3、5、7、9度と重ねるか7,9,3、5度と重ねていき、各コードタイプごとに微調整していきます。説明する上での便宜上、 3、5、7、9度と重ねる のをⒶフォーム、 7,9,3、5度 と重ねるのをⒷフォームとすることにします。

主なコードの レフト・ハンド・ヴォイシング の作り方
※押さえ方は決して一つではありません。私が一番標準的な押さえ方かなと思う押さえ方で、かつ自分が演奏している時も以下のように押さえているものです。

①Maj7コード
 基本通りⒶフォーム 3、5、7、9 Ⓑフォーム 7,9,3、5 と重ねていきます。

②Maj6コード(通常6とだけ表示します)
 基本の形から7を6に変えます。

③m7コード
  基本通りⒶフォーム 3、5、7、9 Ⓑフォーム 7、9、3、5 と重ねていきます。



④Dominant7コード
  基本の形から 5を13にします。
  テンションノートになる9と13は導き出されたコードスケールに対応させます。
 (♭が付いたりする)


⑤m7(♭5)コード
 このコードはテンションが含ませにくいコードなので4つともコードトーンでオーケー。
  基本の形から 9をR(ルート音)にします。
  ※このコードの押さえ方はいろいろとあるようですが、当サイトでは一番シンプルなこの形を推奨します。

⑥m6コード
 基本の形から 7を6にします。

⑦Ⅲm7コード
 このコードは テンションが含ませにくいコードなので4つともコードトーンでオーケー。
  基本の形から 9をR(ルート音)にします。

⑧ディミニッシュ・コード
 このコードはⒶⒷフォームにとらわれずに、前後の流れに一番近い転回系を選ぶのがよいと思います。
 ※具体的な押さえ方は、「実際の曲での応用例」で記します。
 

レフトハンドヴォイシング ロー・インターヴァル・リミットについて

レフトハンドヴォイシングその他の項目についてはこちらから

ロー・インターヴァル・リミットについて

レフトハンドヴォイシングを学ぶにあたってロー・インターヴァル・リミット は、どうしても避けては通れないルール的なものになりますので、まずローインターヴァルリミットから説明していきたいと思います。

ローインターヴァルリミットを直訳すると、低い音程の限界かと思います。もう少し分かりやすく説明するとピアノ真ん中あたりでドとミ(長3度音程)を同時に弾けば綺麗に響くけど、鍵盤の一番低いところで ドとミ を演奏した場合は綺麗に響きあっているとはいいがたいかと思います。つまり長3度の音程が綺麗に響きあうのはどこまでか? というのがロー・インターヴァル・リミットとなります。

下の図が各音程のロー・インターヴァル・リミット を記したものです。各音程、これ以下は響き濁っていくので気を付けてください。というものです。(実際の演奏では、下の図より下回っていてもオーケだったりしますので、あくまでも目あすと思ってください)

下図がレフト・ハンド・ヴォイシングとローインターヴァルリミットの関係を記したものです。
レフト・ハンド・ヴォイシングは、その押さえた和音の下にベースの音(黒丸の音符)が来ることを想定します。その想定されたルート音と、レフト・ハンド・ヴォイシングの最下音がローインターヴァルリミットを超えているかいないかを確認する必要があります。 (下図は上図を厳密に守ったものです。実際の演奏では多少多めに見られることもあります)

レフト・ハンド・ヴォイシング 一覧表

レフトハンドヴォイシングその他の項目についてはこちらから

レフト・ハンド・ヴォイシングを下はローインターヴァルリミット、上はラ♮を基準に作ったものです。
一部、実際にはほとんど使われない形も上記基準の範囲であれば一応載せておきました。メロディーや前後のコードとの関係から適切な形を選んでください。またコードは4和音で書かれていますが、曲想、メロディー等から必要ではないと判断された音は省いても大丈夫です。

※画像はクリックすると拡大されます。

レフト・ハンド・ヴォイシング

レフトハンドヴォイシングその他の項目についてはこちらから

レフト・ハンド・ヴォイシングとは、簡単に言いますと、ジャズの演奏を(ベースがいる状態で)している時のピアニストの左手の押さえ方です。ジャズは、そのほとんどの演奏を各自即興的に演奏します。それでも音楽としてまとまるのは各パートごと役割分担が決まっているからです。例えばピアニストはベースがいる状態では鍵盤低音部は、ほとんど演奏しません。その理由は ピアニスト が 鍵盤低音部を自由に演奏してしまいますとベーシストの演奏と音域が、ぶつかってしまい音楽的に聴きづらいものになってしまうからです。

このようにジャズでは音楽全体の低音部はベーシストに任せて、ピアニストはジャズの雰囲気がでるようなハーモニーを心がけます。もちろん誰かの伴奏をしている時は両手で伴奏するのが基本ですが、ピアニスト本人がアドリブ演奏をする時は通常右手がそれを受け持ち左手は(ジャズっぽい)ハーモニーを担当します。

このようにピアニストの左手は、伴奏の時もアドリブを取る時でも、ジャズっぽい響きになるように独特の押さえ方をしますので、 レフト・ハンド・ヴォイシング と名前が付けられたものと推測されます。

※時々ジャムセッションで「ピアノのコードの響きが重いなぁ」と感じて、ピアニストのコードの押さえ方を確認すると、ほとんどの場合、このレフト・ハンド・ヴォイシングが守られていないです。そして独学でジャズピアノを学んでいる方に多いような気がします。これは、どうしても学ぶ対象がアドリブに傾きやすいとか、レフト・ハンド・ヴォイシングについて細かく丁寧に説明されている書籍が、あまりないなど、ある意味致し方ないとは思います。ただハーモニーは、音楽の3要素、リズム・メロディー・ハーモニーの一つでもありますし、ハーモニーは、サウンド面の土台というべき部分なので、ぜひともマスターして頂きたいと思います。

※ レフト・ハンド・ヴォイシング はコードの押さえ方に、ほとんどルートの音が含まれないので、ルート・レス・ヴォイシングとも呼ばれています。