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ディミニッシュコードのスケール

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ディミニッシュコードのコードスケールの導き方。

パッシング・ディミニッシュとクロマティック・ディミニッシュと分析されたディミニッシュコードのコードスケールは、コードスケールの基本通り、コードトーンの間をそのコードが置かれている調性の音階で埋めていきます。例えば上記の パッシング・ディミニッシュとクロマティック・ディミニッシュ が置かれている調性はハ長調ですので、各コードトーンの間を、ハ長調の音階で埋めていきます。

ここで少し気をつけなくてはいけないことは、いくつかの箇所で、ハ長調の音階が2音あり選択肢が2つあることです。この時の選択基準は、ディミニッシュ・コードの次に来るコードのコードトーンを選びます。

※1 
シとドの選択肢があります。C#dim7の次のコードがDm7の時はそのコードトーンにドがありますので、ここではドを選びます。

※2
ミとファの選択肢があり。D#dim7の次のコードがEm7の時はそのコードトーンにミがありますので、ここでは ミ を選びます。

※3
ミとファの選択肢があります。F#dim7の次のコードがG7の時はそのコードトーンにファがありますので、ここでは ファを選びます。

※4
ミとファの選択肢があります。E♭dim7の次のコードがDm7の時はそのコードトーンにファがありますので、ここでは ファを選びます。

オグジュアリー ・ディミニッシュ・ コードのコードスケールは、上記のようなやり方で導き出す方法もあるのですが、あまり使い勝手の良さそうなコードスケールではないので、このサイトではルートから全音程、半音程を繰り返すディミニッシュ・スケールを選ぶことにしました。このスケールがどういう理由でコードスケールになりえるのか?については、どの理論書にも詳しくは書いてありません。私も、なんとなく、こんな理由なんだろうな、という事くらいでしか理解していません。ただ実際の曲では、ほとんど出てこないコードタイプなので、 オグジュアリー ・ディミニッシュ・ コードのスケールは、あまり気にしなくても実害はないと思います。

注1)
D#dim7 と E♭dim7 は異名同音でコードトーンは全く同じですが、次に出てくるコードが違うため、それぞれのスケールも違ってきます。

注2)
ディミニッシュ・コードのコードスケールには、特別な名前は決まっていないようです。
本サイトでは便宜上、下記のように表します。ただし パッシング・ディミニッシュ・スケール は 固定の音階をもたないため一つ一つ、コードスケールの音を確認する必要があります。

パッシング・ディミニッシュ・スケール(略記 P.Dim)

クロマティック・ディミニッシュ・ スケール(略記 C.Dim)

オグジュアリー ・ディミニッシュ・ スケール(略記 A.Dim)

ディミニッシュ・コード

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音楽理論的にはディミニッシュ・コードの3和音 例えば Cdim と Cdim7 は分けて考えるのですが、実際のジャズの演奏の中では、この二つを明快に分けて考えて演奏することはないと思います。例えば仮に楽譜に3和音で Cdim と書いてあっても、あまり気にせずにCdim7 として演奏することが多いと思います。

3つのディミニッシュ・コードタイプ

分析時のコード機能は3つのタイプ全てDimを丸で囲み示します。

①パッシング・ディミニッシュ (ディミニッシュ・コードの上行アプローチ)

ディミニッシュ・コードで最もよく使われるタイプで、ダイアトニック・コードに対して半音下から上行するアプローチです。多くの場合、同じ増4度の音程を持つセカンダリードミナントの代理の役割を果たしています。以下が良く使われるパターンです。(ディミニッシュ・コード単独でダイアトニックコードに半音下からアプローチすることも多いです)


例① ♯Ⅱdim7
|C |A7 |Dm7 |~  →  |C |C♯dim7 |Dm7 |~
A7に含まれている増4度音程(ド♯とソ)をもつC♯ディミニッシュ・コードが代理となります。

例②  ♯Ⅲdim7  
|Dm7 |B7 |Em7 |~  →  |Dm7 |D♯dim7 |Em7 |~
B7に含まれている増4度音程(レ♯とラ)をもつD♯ディミニッシュ・コードが代理となります。

例③  ♯Ⅳdim7
|FMaj7 |D7 |G7 |~  →  | FMaj7 |F♯dim7 |G7 |~
D7に含まれている増4度音程(ファ♯とド)をもつF♯ディミニッシュ・コードが代理となります。

例④  ♯Ⅴdim7
|G7 |E7 |Am7 |~  →  |G7 |G♯dim7 |Am7 |~
E7に含まれている増4度音程(ソ♯とレ)をもつG♯ディミニッシュ・コードが代理となります。

②クロマティック・ディミニッシュ   (ディミニッシュ・コードの下行アプローチ

クロマティック・ディミニッシュはダイアトニックコードに下行してアプローチするコードです。
パッシング・ディミニッシュ と違い強い解決感がないためなのか、あまり パッシング・ディミニッシュ に比べて目にする機会は少ないと思います。
最も使用頻度が高いのが(ハ長調の場合)|Em7 |E♭dim7 |Dm7 |  になります。


③オグジュアリー・ディミニッシュ (ディミニッシュ・コードの補助的?予備的?アプローチ)

※?とつけたのは、適切な日本語の訳がないようなので、こんな感じの意味かな…程度に捉えてください。

オグジュアリー・ディミニッシュ は曲中では、ほとんど出てくることはなく、主に使われる時はアレンジの時かな…と、個人的には思います。よく使われるのは Ⅰ6、 ⅠMaj7 や Ⅴ7が長い間使われる時に、この オグジュアリー・ディミニッシュ を挟んで雰囲気を変えたりします。


① |C Cdim7 | C   |

② |G7 Gdim7 | G7 |

※転回系コードの進行

コード進行の中で  
① |D♯dim7 |C/E  | ~  
② |F♯dim7  |C/G | ~ 
などのディミニッシュ・コードが転回系に進む場合があります。このようなケースの場合2つの考え方ができます。

パッシング・ディミニッシュ として考えた場合
①なら本来Em7に行くところが代理コードして違うトニックコードに進んだ。②なら通常ならG7に進むところ、よくあるパターンとしてG7の前にC/Gが置かれたと考えて、 パッシング・ディミニッシュ として分析する。

オグジュアリー・ディミニッシュとして考えた場合
①の D♯dim7 は転回するとCdim7 ②の F♯dim7 も 転回するとCdim7  したがって両方とも次のコードに対して、きわめて オグジュアリー・ディミニッシュ に近い響きを持っていると考えて、 オグジュアリー・ディミニッシュ として分析する。

どちらの考え方を選ぶかは、そのコードが置かれた、前後の流れ、テンポやコードの配置・拍数などを総合的に考えて決めるのが良いと思います。

SFDとしての♭Ⅶ7とM.I.としての♭Ⅶ7の違い

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この項に関しては、かなり独自の感覚です。演奏していて従来の多くの理論だと拾い切れていない部分があるような気がしていまして、ある意味「こんな考え方もあるよね?」的な問題定義だと思ってください。

私がなぜSFDとしての♭Ⅶ7とM.I.としての♭Ⅶ7を分けて考えるのかというと、多くの理論書は、 ♭Ⅶ7 のコードスケールをリディアン♭7だけで説明しているように思えます。

ただ、演奏していると、ここはミクソリディアンでもいいよなぁ。と思えるところが多々あります。

この感覚は 私がわざわざ声高々に言わなくても、多くのジャズミュージシャンは感覚的に分かっている部分だと思います。つまるところ「どっちでもいいんじゃない?」っていう感覚です。

確かに、その通りなのですが、初心者の方にとっては、この 「どっちでもいいんじゃない?」 は、結構な確率で「で、どっちなの?」という感じで困ると思います。せっかく理論のサイトを書いているのでこの際、本サイトの基準を示したいと思います。

♭Ⅶ7 のスケールの可能性は リディアン♭7 か ミクソリディアン です。この両者のスケールの違いは1音のみ。スケールの4番目の音が♯するか♮のままかです。たとえばハ長調でいえば、 ♭Ⅶ7 のコードはB♭7になり リディアン♭7 か ミクソリディアンの差はミの音が♮か♭かです。

ミの音はハ長調にとって第3音なので ♮か♭ は結構重要かと思われます。簡単に説明するとハ長調との調性的な距離間で決めるのがいいと思います。すなわちハ長調にできるだけ近い感じで演奏したいならミが♮になる リディアン♭7 。ハ長調から遠く離れたい感じで演奏したいならミが♭になる ミクソリディアン を選ぶ。これが私の基本的な考え方です。

ただ実際の曲の中ではメロディーとの関係、前後のコードとの関係、曲のテンポや、コードに対する拍数など、いろいろな観点からスケールを考えのがいいと思います。

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※1 ※2 メロディーから考えて(著作権に詳しくはないのですが、メロディーを書くと引っ掛かりそうなので省略します。各自で調べてください)3~4小節目、7~8小節目は調性から離れている音が使われているために、一種の転調のような感覚がありM.I.として分析して( ミクソリディアン またはリディアン♭7二つの選択肢の中で比べた時) 元の調性から遠くなる ミクソリディアンを選択。もちろん次のコード(元の調性)に、より滑らかにつなげるためにリディアン♭7の選択も可能。

※3 メロディーのレの音から考えて二つの選択肢 ( ミクソリディアン またはリディアン♭7 )から リディアン♭7 を選択。(ここでは理論的にはミクソリディアン の選択は考えにくい)

※4 今回のテーマとは関係ないがE♭Maj7のスケールにイオンニアンの選択も可。転調やモーダルインターチェンジコードとして分析も可能だが、2小節と長いので、今回は元の調性を意識させるためリディアンを選択。



頻繁に使用されるモーダル・インターチェンジ・コードとスケール

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※ ♭Ⅶ7のコードスケール は 、ほとんどの理論書ではリディアン♭7に設定しますが、 本サイトはモーダルインターチェンジコードとしての♭Ⅶ7にはコードスケールとしてミクソリディアンを設定することを推奨します。(理由は次回で)

※上記のコードは、あくまでも頻繁に使用されるモーダル・インターチェンジ・コードですので、もちろん、上記以外のコードも出てきます。その時は主音の音とコードトーンの音から基になっているスケールを探してみてください。( モーダル・インターチェンジ・コード 以外のコードの可能性もあるので要注意)

例)ハ長調で  モーダル・インターチェンジ・コード としてEbMaj7 が使用された時のスケールの出し方

コードトーンの ミ♭ ソ シ♭ レ と主音のドの音はスケールの音として決定。そこから逆算してスケールとして可能性があるのは、イオニアンかリディアン。そのスケールの音の違いはラが♮か♭か?ここは モーダル・インターチェンジ・コード として考えていて転調ではないので、ハ長調により近いサウンドになるリディアンを選ぶのが基本です。(もちろんイオニアンも選択可。その時はラ♭)

※今までは、長調の中に出てくる モーダル・インターチェンジ・コード でしたが、このコードの基本的な考え方は旋法が交差・変換されることなので、当然短調の曲の中にもモーダル・インターチェンジ・コードは使われると本サイトは考えます。(あまり他の理論書では取り扱われていない事項)具体的に短調の曲 モーダル・インターチェンジ・コード として使用しているかな?という曲名をあげると「Alone Together」(13小節目等)や「You And The Night And The Music」(7小節目等)となります。

モーダル・インターチェンジ・コード

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モーダル・インターチェンジ・コード (アナライズ時の略記は M.I.を丸で囲む)とは、読んで字のごとく、モード(旋法)がインターチェンジ(交差・変換)されたコードということです。

具体的には、ある曲の主音から派生するあらゆるスケール、例えばハ長調の曲なら主音はドなので Cドリアン Cフリジアン Cナチュラル・マイナー …etc 等の各スケールから成り立つダイアトニックコードが借用されて曲の中で使われることです。

※M.I.は、一部の理論書でサブドミナント・マイナーや、トニック・マイナー等と呼ばれているものと、ほぼ
同じものです。(正確には サブドミナント・マイナーや、トニック・マイナー は モーダル・インターチェンジ・コード の一部)少し前の理論では、長調の曲中で同主調である短調のコードを借りてくるという理屈であったのですが、それだと説明できないコードが音楽の進化と共に増えたので、長調⇔短調ではなく、 より可能性が広がる主音を軸にしたすべての※スケール(モード)の交差(インターチェンジ)が可能と解釈して、モーダル・インターチェンジ・コード と名付けられたと私は推測しています。

例)Key Cで

|CMaj7 |D♭ Maj7 |CMaj7 |D♭ Maj7 | ~

というコード進行があった時( D♭ Maj7 はM.I.です)正確にコードの流れを表現するとモードがCイオニアンからCフリジアンに、そして Cフリジアン から Cイオニアン にインターチェンジ(交差・変換) されていると考える。
※DbMaj7のコードスケールはCフリジアンをDbから並べ替えたものになるのでDbリディアン

※スケールとモードの違い
 簡単に説明しますと、スケールはただの音階。モードはその曲(その部分)の土台になっている音階

 Eドリアンスケール  → ただのミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ・ミ
 Eドリアンモード   →  ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ・ミ  の音階が曲の土台になっている。
              (調性は正確に言えば、Eマイナーではなく、Eドリアンモード)

モードとスケールの使い分け使用例
My Favorite Things 冒頭の |Em7 |F#m7|Em7 |F#m7| ~ この部分はEドリアンモードの動きとして解釈できる。具体的には上記のコード進行をEドリアンのダイアトニック・コードと考えEm7ではEドリアンスケール F#m7は F#フリジアンスケールが選択可。


 

マイナー曲(Black Orpheus)の分析例

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※1 この曲のイメージから、Ⅰmのコードスケールに、あまりマイナー色が強くならないキーに対して一番素直なナチュラルマイナーを選択(もちろん他のスケールも選択可)
※2 転調する時は新しい調との音程を表記(このケースだと短3度上がって転調を示す)
※3 マイナーのまま、Ⅳm7 ♭Ⅶ7と分析することも可能だが、キーCに転調したと考える方が、分かりやすい(アドリブが演奏しやすい)ので、6~12小節目はキーCに転調と分析しました。
※4 Ⅳmとしても分析できるのですが、このコードをm6として演奏したかった(Ⅳmのままだと、基本的にはコードスケールはドリアンでコードはm7)のと、21~24小節目にかけてDmのⅡ-Ⅴ-Ⅰとも分析できるので※3と同様に、演奏しやすいのでここは転調と考えました。
※5 コードの転回形はこのように、ベース音になる音を、コード対しての度数をアラビア数字(3、5、7)や♭などを使って表す。(キーC で C/E が出てきたときは Ⅰ/3)

Ⅰmにおけるコードスケールの可能性

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マイナーの曲で主和音のⅠmが3和音のままで表記されていることが多々あります。これは「3和音(の響き)で演奏しなさい」という意味ではなく、「第4音のコードトーンは自由に選択してください」という意味にとってください。そして 選んだ第4音のコードトーン からコードスケールを選択します。

ジャズのマイナーの曲では主和音に、よくⅠm6のコードが選ばれます。
理由は(私の憶測ですが)Ⅰm7は転回するとMaj6となり(例 Am7を展開するとC6のコードが出てくる。そもそもこの二つのコードの構成音は Am7ラ ド ミ ソ C6 ド ミ ソ ラで全く同じ)マイナー感が薄くなるので、マイナー感が強く望まれる時は選ばないです。またⅠm(Maj7)は不協和音の響きが強すぎるため(インパクトが強すぎる)にメインのコードとしては選ばれない傾向があるような気がします。

よってジャズではマイナーの曲では、主和音のⅠmをⅠm6で演奏するのが多いのですが、私はこのⅠm6の時のコードスケールに前々から疑問がありました。

マイナーには3つのスケール(ナチュラル・ハーモニック・メロディック マイナー)があり第4音を選択したら、その音が含まれているスケールを選ぶのが基本です。ですのでⅠm6を選択した場合は第6音があるスケールは3つの中でメロディック マイナーだけなのでコードスケールは メロディック マイナー となります。

これは、コードスケールの導き方はそのコードが属する調性に基ずくのが基本。その考え方に異論はないのですが、演奏していてどうしても、普通の感覚として他の選択肢があるような感じがしていました。

私の感覚では、マイナーの主和音としてのⅠmをⅠm6として考えた時、又は マイナーのダイアトニックコードが続く時 例上記のサンプル曲 Alone Togetherの冒頭部分等) のコードスケールは、3つのマイナースケール(ただしハーモニックマイナーは増2度音程がありアドリブとしては使いずらいスケールなので事実上は選択肢はナチュラルマイナーとメロディックマイナーの2択)とドリアン(6)(これは僕が適当に考えた造語です)を自由に選択できる。(ただし、実際に鳴っているコードの響きと、ぶつかってしまう音を含むので長い音で使用する時などは響きがぶつからないようよく聞いて注意する)

※ドリアン(6)とは、つまるところナチュラルマイナーとメロディックマイナーを足して2で割ったようなスケールです。ドリアンスケールは通常第6音はスケールノートです。今回のⅠmの場合、第6音はコードトーンとして使用されるので、通常のドリアンスケールと分けて考えるため ドリアン(6) 名付けてみました。(もしかしたら、既にそういう呼び方をされている方がいらっしゃるかもしれませんが)

結論

当サイトではマイナーのⅡ-Ⅴ-Ⅰが、安定したマイナー感を出している時、メロディックマイナーの他に、ナチュラルマイナーやドリアン(6)もスケール選択可能という立場をとります。それを当サイト独自の言葉でマイナー・ トニック・ スケール < Minor Tonic Scales> (略記 Mi.Tonic)と記します。

あまり上手くない説明で長々と書いてしまいましたが、内容自体はある一定以上のレベルのジャズミュージシャンなら普通に演奏している感覚だと思います。ただ、私が読んできた理論書の中には、このことについて書かれている文献を読んだことがないので、今回、ちょっと書いてみました!(既にあるかもしれませんが…)

マイナーにおいて頻繁に使用されるダイアトニックコードとコードスケール

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マイナーのダイアトニックコード

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マイナーには3種類のスケールがあり、それぞれの音に各スケールの音を重ねていくとマイナーのダイアトニックコードになります。

以下が3つのマイナースケール上にできるダイアトニックコードと、それぞれのコードに対する、機能、アナライズ、コードスケールです。

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当然、メジャーに比べてダイアトニックコードの数が大幅に増えるわけですが、この全てのコードが頻繁に使われるわけではありません。

いままで学んできたコードで分析できる曲(The Days Of Wine And Roses)の分析例

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今まで学んできた内容だけで分析できる曲にトライしてみます!
分析の仕方や解答は一つではないので、あくまでも参考程度だと思ってください。

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※1 
キーCの中でE♭7は本来Dm7に進むべきコードなのですが、ここではD7に進行していますので(  )をつけて「本来進むべきコードには進んでいない」ことを表します。
※2 
キーCの中で D7は本来Ⅴ7/Ⅱでコードスケールはミクソリディアン♭13なのですが、ここではD7の前に出てくるコードAm7(♭5)の♭5の音(♭ミ)の影響を受けてD7のコードスケールを、 ミクソリディアン ♭9♭13を選択
※3
リレイティッド コードは通常m7かm7♭5なのですが、ここではメロディー(コードに対して6度の音)から考えて、ただの3和音のみのマイナーコードになっています。スケールはメロディック マイナー。
※4
このEb7は2小節後に出てくるDm7に対するSub,Dと考えることもですが、ここはメロデイから考え5~6小節目のモチーフ展開となっており、以後のフレーズとの強い結びつきは見られないので♭Ⅶ7はSFDとしました。ただし、どちらの機能としてアナライズしてもスケールは一緒です。
※5
理論書によっては、純粋にⅡ-Ⅴのところ以外ではカギ括弧は使わないと表記してあるものもありますが、当サイトでは分かりやすさを優先して、マイナーコードとその4度上のドミナント7コードが連続している時は、カギ括弧で繋げ表記します。
※6
このサイトは今まではこのコードをRⅡm7♭5として分析していましたが、今後はダイアトニックコードだけど、本来の役割(ドミナント)をしていない。という意味でⅦm(♭5)を(  )をつけて表記していきたいと思います。(徐々に変えていきます)ただ、どちらで考えてもスケールはロクリアンです。
※7
本来、RⅡm7(♭5)が進むべきコード(このケースだとE7)に進行していないので(  )表記にする。