Solo Piano Over The Rainbow 土台作り

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ジャズのソロピアノといっても、いろいろなスタイルがあるので、これからご紹介するのは、あくまでも、そのうちの一つのやり方にすぎないと思ってください。

まずは演奏する上で大事になってくる、土台というべきハーモニーを押さえられるような練習から始めていきます。

① メロディのガイドラインとベース音の位置決め

メロディーから大事な音だなあと思う音を抜き取り、その音に対して、近すぎず、遠すぎずの距離にベース音を配置します。(必ずしも答えは一つではありません)

音源 Over The Rainbow 1(繰り返し等省略)



② 7th(6th)を主に左手を中心に加えていく

左手の親指に7th(6th)が来るように試してみます。ルートの位置がローインターヴァルリミットにかかってしまう時は、左手の親指はルートを重ねて、右手で7th(6th)を押さえます。

※1.2.3は上記の理由(ローインターヴァルリミット)により、左手の親指でもルートを押さえてます。※2.3.は、右手の親指で7thの音を押さえています。※1は、メロディーの音と半音でぶつかってしまうので、7thの音は避けます。その時は7thの代わりに6thを使えるのですが、今回はポップスでよく使われるadd9と呼ばれている押さえ方を選びました。 

add9 3和音に乗っかかる音として7thの音は使わず、9thの音を使う和音。主にポップスで使用される。
例) Cadd9 ド・ミ・ソ・レ 

音源 Over The Rainbow 2(繰り返し等省略)

 

 

③ 3rdを加える

各コードの3rdの音を、主に右手の内側に配置する。これだけの音数でも響きの骨格的なものは表現できます。

※1 
ガイドラインの音が既に3rdの音なので、右手の内側に3rdの音は必要ないが、このケースでは、低い音から跳躍したメロディーの音を補強する為にあえて重ねた。

※2 ※3
ガイドラインに3rdがあるので、右手内側には配置しない(※1は例外)

※4
ガイドラインが4thの場合、すぐ下に3rdを配置すると音がぶつかり、1オクターブ下に配置すると、右手でつかめない(仮に、つかめたとしても簡単にはつかめない)ので3rdは省略されることが多い。本来の表記されたコードネームとは、違う響きになってしまうが、演奏しやすさを優先する。

音源 Over The Rainbow 3(繰り返し等省略)



④ テンション 5th ポイントづくり 等を使ってサウンドを整える。

上記の音をうまく配置することによって、ジャズっぽいサウンドがする土台を作る。
ポイントは、なるべくテンションの音を含めることと、もしくはコードの響きに何かポイントを作ることです。

※1 
7th(6th)の音がないですがadd9という響きでポイントを作っています。

※2
ガイドラインが3rdの音なのでテンション9thの音を使うと、半音でぶつかってしまう等テンションの音が使いずらい箇所なので、跳躍したガイドラインの音をオクターブ下で支えるという(地味ですが)ポイントを作る。

※3
Gm7はこのキーのⅢm7になり、テンション9(ラ♮はこのキーの音階の音ではないため)が使いずらいコードです。ここでは右手でB♭のトライアードにすることによって少しでもポイントを作っています。

※4
テンション9(ファ)の音を使うとメロディーと全音でぶつかるために今回は避けました。(気にしないというケースもある。好みの問題)その代わりに選んだルートの音はベースの音と被りますが、Maj7の音とぶつかることによって(ここは内声だから構わない)ポイントを作っています。

※5
④と似ていますが、楽譜には書かれていない省略されたメロディ―の中に5thの音が使われますので、土台からは外しました。

※6
ガイドラインが4thの音なので3rdの音が使いずらいので(完全ではないですが)Dm7 / G っぽいサウンドで、(ラな♮が使えないのでDm7ではないですが)少しでも凝ったサウンドを作っている。


⑥と同じ理由で Cm7 / F という、少しでも凝ったサウンドを作っている。

音源 Over The Rainbow 4(繰り返し等省略)