ジャズ特有のスケールについて

ジャズ理論 目次(その他の項目)

※この項は長音階、短音階または音名、調号、音程などについては既に理解している前提で進ませていただきます。

ジャズ理論に、どうしても避けられない専門用語として、ジャズ特有のスケールの呼び方があります。理論書を見て最初に頭を抱えてしまうのが、よく分からないスケール名が次から次へ出てくることではないでしょうか?Aドリアン? 「ん?ローッキーの彼女の名前?」この問題がジャズ理論が難しいな…と感じてしまう理由の一つではないでしょうか。

そこで、ジャズ特有のスケールの中でも基本の七つ、イオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンについて、まず説明したいと思います。

この7つのスケール名は教会音楽からつけられています。使っている名前は一緒なのですが、根本的なところは全く違うので、ドリアンモードとドリアンスケールって何が違うの?など、混乱を招くような疑問が出てきます。ここでは詳しい説明は避けさしてもらいますが、たまたま音並びが一緒だったので、教会音楽の時に使っていた言葉を使わせてもらった。という理解でいいと思います。

まずは、この呪文を覚えてください。

イ ド フ リ ミ エ ロ

これは基本の7つのスケールの頭文字を並べたものです。

イ ・・・ イオニアン  Ionian  
ド ・・・ ドリアン Dorian
フ ・・・ フリジアン Phrygian
リ ・・・ リディアン Lydian
ミ ・・・ ミクソリディアン Mixolydian
エ ・・・ エオリアン Aeorian
ロ ・・・ ロクリアン Locrian

以下がハ長調の長音階から派生した基本の7つのスケールになります。
(ダイアトニックの説明のところと同じ図になります)

Cイオニアン ・・・ ドレミファソラシド
Dドリアン  ・・・ レミファソラシドレ
Eフリジアン ・・・ ミファソラシドレミ
Fリディアン ・・・ ファソラシドレミファ
Gミクソ   ・・・ ソラシドレミファソ 
※今後ミクソリディアンはミクソ、またはMixo. のように略記を使います。
Aエオリアン ・・・ ラシドレミファソラ
Bロクリアン ・・・ シドレミファソラシ

ようするに頭文字を取ったイドフリミエロの各スケールはハ長調の長音階が元になっており、その音階のスタートの音をずらしたものになります。そしてこの表の英文字は主音を表し音階のスタート音になります。カタカナ文字は各スケールの音並びを移動ド読みで読んだもので、たまたまハ長調だったから実音と一緒になったと考えてください。例えば、Dドリアンは「Dから始まる レミファソラシドレ 」と考えます。

では、「このコードではFドリアンを使用」 」「このコードでは B♭リディアンを使用」と 書かれている時に、それがどんな音階なのか理解できるようになりましょう。

次回のブログでスケールの導き出し方を学んでいきたいと思います。