「Dドリアン、Gミクソリディアン、Aエオリアン、つまるところドレミファソラシドと同じでは?なぜ、いちいち分けて考える必要があるのか?そもそもジャズミュージシャンは アドリブを演奏する時に、こんなに細かいことを考えているのだろうか?」と、疑問に思う方は多いかと思います。実際にジャズを演奏している方々でも、あまりジャズ理論に興味がない方が多いのも、このへんが理由なのではないでしょうか。(もちろん感覚でも、素晴らしい演奏はできますし、 それを否定するつもりはありません)
実際に演奏する時、多くのミュージシャンは「ここはドリアンで…」 など、そんなことを考えている余裕はないと思います(少なくとも私はそうです)。では実際に演奏する時、考えていないことなのに、なぜ別のスケールとして考える必要があるかといえば、単純にその方が便利だからです。
例えばキーがCの時の話をします。
コードがCの時はレがテンション(ジャズらしい音がする)ただし、そのレの音もDm7の時はルートの音になり、響き的にはジャズらしい音ではなくなります。ただ、今度はコードCの時に、コード音だったミの音が、Dm7ではテンションの音になります。このように、各コードにおいて、テンションとして響いてくれる音が違います。それを説明するには、 ドレミファソラシド のスタート音をずらして ドリアン、フリジアンなど 別のスケールとして考えたほうが簡単なのです。
では、実際どのように使うかといえば、例えばコードがCの時に「 ♫ ⤵レードシラソー」「♫ ⤴ソラシドレー」などテンションの音を意識したフレーズを使えるように何度も何度も練習します。最初のうちは、恥ずかしいくらい、「テンションの音使ってますから!」くらいの、これ見よがしなフレーズになっても良いと思います(みんなそうやって練習してきたはずです)。そのように 繰り返し練習することによって 、徐々にそれが、感覚となっていき、特に意識しないでも、アドリブ演奏をする上で テンションの音が自然に使えるようになると思います。